はじめに
みなさん、こんにちは。
今日は横山秀夫さんのミステリー小説『64』を紹介したいと思います。
『64』はそんな人にオススメです。
『64』は上下の2巻ありますよ。
『64』はNHKで連続ドラマ化、また映画化もされています。
映画に関してはレビューがあまりよろしくないです。(笑)
小説を読んで思いましたが、これを映画化するのは相当難しいと感じました。よく映画化しようと思ったな、と思います。
『64』というタイトルの意味も読み進めていくうちに分かりますよ!
- 警察小説が好きな人
- 組織のいざこざが好きな人
- 長めの小説が好きな人
面白い小説を探している人の参考になれば幸いです。
作者の横山秀夫さんについて
新聞社に勤めているとき「ルパンの消息」が第9回サントリーミステリー大賞佳作を受賞しました。これをきっかけに12年間勤めた新聞社を辞めます。
『陰の季節』で第5回松本清張賞受賞、『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞、『クライマーズ・ハイ』で第1回本屋大賞第2位など様々な賞を受賞しています。
今回紹介する『64』も第10回本屋大賞第2位、英国推理作家協会賞(CWA賞)など賞を受賞しています。
『64』には警察本部に置かれる「記者クラブ」がよく出てきますが、記者と警察官のやり取りも元新聞記者の作者が書くと説得力が違います。
ちなみに『クライマーズ・ハイ』は、横山さんが記者時代に遭遇した日航機墜落事故取材の体験を小説にしたものらしいです。こちらも面白いので読んでみてほしいです。
『64』のあらすじ
上巻のあらすじ
主人公はD県警勤務の広報官、三上です。
三上はもともと刑事でしたが、警務部秘書課という部署に異動になりました。
三上の仕事は警察の窓として記者クラブに対し、捜査の近況を伝えます。
最初は刑事出身という異端の広報官として記者とも上手く付き合っていましたが、あるいざこざで記者クラブとのあいだに決定的な亀裂が入ってしまいます。
そんな最中、警察のトップである警察庁長官の視察が決定。
視察の内容は昭和64年に起きたD県警史上最悪の未解決事件『翔子ちゃん誘拐殺人事件』。
広報を担当する三上は遺族に視察のことを伝えると、「わざわざ偉い方にいらしていただく必要はありません」と断わられてしまいます。
翔子ちゃんの父はなぜ長官視察を拒絶したのか。三上がその理由を調べると「幸田メモ」なる存在に辿り着きます。
そして調査の中で三上の同期、警務部の超有能、二渡も『翔子ちゃん誘拐殺人事件』を嗅ぎまわっていることが判明。
遺族が視察を拒絶する理由とは?
「幸田メモ」とは何なのか?
二渡はなぜ『翔子ちゃん誘拐殺人事件』を調べているのか?
記者たちとの関係をどのように改善するのか?
とにかく問題が山積みです。
下巻のあらすじ
刑事部が警務部の不祥事を新聞記者にリークし、広報室は月曜の朝から混乱に陥りました。
警務部と刑事部の深まる溝。
そんな中、三上は「幸田メモ」からD県警の抱えるとんでもない爆弾の存在を知ります。さらに長官視察の真の狙いを刑事部長から聞かされます。
警務部と刑事部との対立は、警察庁長官が視察の際の記者会見で発表しようとしている内容に原因があったのです。
三上は古巣の刑事部か、それとも今所属している警務部に付けばいいのか、選択を迫られます。
そして三上は一つの答えをだしました。
そんな中、突如D県警の管轄内で誘拐事件が発生。
その誘拐事件の犯人は、まるで『翔子ちゃん誘拐殺人事件』をなぞるように要求や指示を出してくるのです。
誘拐事件の発生により、長官視察は中止に。
長官視察の直前というタイミングで起きた誘拐事件。果たしてそれは偶然なのか?
なぜ『翔子ちゃん誘拐殺人事件』を模倣するのか? そして犯人の正体とは?
とにかく下巻の途中から怒涛のようにストーリーが進んでいきます。
下巻は一気読みしてしまいました。
オススメポイント
警察小説が好きな人ならハマる!
この小説はミステリーを売りにしているように思います。
でも、実際に読んでみると警察内部のドロドロした部分が色濃く描かれています。
僕は警察小説を読んだことはなかったですが、非常に楽しめました。
組織のいざこざが面白い!
記者と警察、警務部と刑事部、キャリアとノンキャリア、などなど複数の対立が複雑に絡まり合っています。
警察はドラマや漫画でよく登場するけど、大抵は事件解決がメインですからね。内部の部署とか上下関係とかを描いている作品は案外少ないのかもしれません。
警察内部に興味がある人なら楽しめると思います。
ミステリーが好きな人にもオススメ!
ずっと未解決の事件がテーマの本作品。
てっきり警察内部のいざこざを描いた作品だと思っていましたが、後半の方から今までのことが一気に解決していきます。
そのワクワク感はたまりませんよ!
まとめ
今回は横山秀夫さんの小説『64』を紹介しました。
『64』はミステリー要素もありますが、警察小説の方がジャンルとして合っているような気がします。
上下巻とちょっと長めにはなりますが、後半の勢いは本当にスゴイのでぜひとも読んでみてほしいです。
それではノシ!